やりがいと収入アップのために要約筆記者を目指して

現在、私は副業として「要約筆記奉仕員」として活動してます。

事前準備や現場での対応が難しいですが、非常に充実した仕事です。また、スキルアップを目指し、「要約筆記者」の資格を取得するための勉強も行っています。

この資格を取得することで、より多くの場面で活躍できるようになります。

「要約筆記」についての説明と「要約筆記者」になるための方法ついて説明します。

要約筆記って何?

要約筆記とは

要約筆記とは、話し手の話の内容をつかみ、それを文字にして伝える、聴覚障害者のためコミュニケーションの保障です。1960年代に考案され、現在は手話通訳と同様に福祉サービスとして行われています。

全国要約筆記問題研究会(全要研)のサイトより

つまり、要約筆記とは講演や会議の内容をリアルタイムで要約し、文字に起こす作業です。これは、話者の言葉を聞き取り、要点を素早くまとめて伝える能力が求められます。

聴覚障害者や、会議の内容を迅速に把握したい人々にとって、要約筆記は非常に重要な役割を果たします。

要約筆記の種類と表示方法について

◉要約筆記の種類

 パソコン要約筆記:「IPtalk」というアプリを使って、パソコンに入力した内容をスクリーンに表示します。このアプリについては後半で説明します。

 手書き要約筆記:話の内容を透明シートにペンで書き、OHCによってスクリーンに投影します。

◉表示方法

 全体投影:パソコンまたは手書きの文字をスクリーンに表示し、全員に見てもらう方法です。

 ノートテイク:パソコンまたは手書きの文字を表示し、一人の人に見てもらう方法です。

要約筆記者になるには

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1.要約筆記者養成講座を受講

各都道府県や市町村は、厚生労働省の要約筆記者養成カリキュラムに従って「要約筆記者養成講座」を提供しています。

毎年3月に募集が開始されます。詳細は市町村の福祉課に確認してみましょう。

この講座は、「手書き要約筆記者」コースと「パソコン要約筆記者」コースに分かれており、全84時間(4月から10月)で構成されています。

受講料は無料ですが、テキスト代として4,000円が自己負担となります。

 
自治体によって異なる場合もあります。

受講を完了すると、県や市に「要約筆記奉仕員」として登録し、活動を開始することができます。

県や市からの派遣依頼があった際は、2人ペアの2組、計4人で派遣場所に向かい活動します。

2.要約筆記者認定試験を受ける

翌年2月には「全国統一要約筆記者認定試験」が行われ、これに合格すると「要約筆記者」として認定され、正式に登録されます。

「要約筆記奉仕員」と「要約筆記者」では派遣料(時給)が異なり、同じ時間働いても時給が違うため、ほとんどの人が「要約筆記者」を目指します(ただし、同じ時給の自治体もあります)。

派遣料は自治体ごとに異なり、私が登録している自治体では「要約筆記者」となると時給が500円アップします。

また、派遣会場までの移動時間を活動時間に含めたり、事前準備にかかった時間も活動時間に含める自治体もあります。

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このような制度を活用し、やりがいと収入アップを目指して多くの人が「要約筆記者」として活動しています。

要約筆記者認定試験

試験内容

正式名称は、「全国統一要約筆記者認定試験」です。

◉試験会場
要約筆記者養成・派遣事業を実施している各都道府県、市町村等

◉試験日
2月の第3日曜日頃

◉受験料
手書き(6,000円)、パソコン(6,500円)、両方受験(8,500円)
受験料は自治体が負担している場合が多いです。

◉受験対象者
「要約筆記者養成講座」修了者、補習講習等を受けた登録要約筆記奉仕員

◉試験内容
厚生労働省通知における要約筆記者養成カリキュラム・必修科目

1.筆記試験 要約筆記者に必要な基礎知識
 ・ 聴覚障害の基礎知識 (第1講)
 ・ 社会福祉の基礎知識 (第6講・第8講・第13講・第14講)
 ・ 要約筆記の基礎知識 (第2講・第4講・第5講・第9講・第10講・第11講・第12講 第13講・第14講)
 ・ 日本語の基礎知識(第3講)

2.実技試験
・手書き
 1問5分程度(ノートテイク現場を想定、ノートテイク用紙使用)
 1問5分程度(全体投影現場を想定、ロール)
・パソコン
 1問5分程度(ノートテイク現場を想定、パソコン入力)
 1問5分程度(全体投影現場を想定、パソコン入力)
  どちらとも 社会福祉、障害者福祉、聴覚障害問題から1問、一般的内容から1問とする

◉試験時間
・筆記試験(60分)
・実技試験(10分(手書き:ロール・ノートテイク用紙を使った実技各1問)
        (パソコン:一人入力2問)

◉合格基準
2025年2月の試験より次のように変更になります。

◉現在 2023年度(2024年2月試験)までの認定基準

筆記試験120点以上、かつ実技試験70点以上

◉変更後 2024年度(2025年2月試験)以降の認定基準

次の1,2を満たしていること

1.筆記試験結果が次の①②を満たしていること
 ①合計得点が120点(60%)以上
 ②出題分野の得点が次にあげる各分野の配点の25%以上
  聴覚障害者の基礎知識   50点
  社会福祉の基礎知識    50点
  要約筆記の基礎知識    50点
  要約筆記の基礎知識対応力 20点
  日本語の基礎知識     50点
2.実技試験各70点以上(変更なし)

要約筆記者認定試験の合格基準は、筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があります。片方だけの合格では不合格となってしまいます。

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筆記試験

筆記試験は、選択問題だけでなく記述問題も多く含まれています。そのため、テキストの内容を充分に覚えていかないと対応が難しいです。

8割以上の得点を取るのは厳しいですが、6割以上の得点であれば合格の可能性があります。

実技試験

実技試験では、パソコンを使う場合、音源を聞いて「IPtalk」でその内容を要約して入力します。この試験では、タイピングのスピードだけでなく、聞き取り能力も重要です。

要約筆記者認定試験は、総合的なスキルが求められる難易度の高い試験ですが、それだけに合格したときの達成感も大きいものです。

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実技試験でのハプニング

私が受験した2024年2月の実技試験では、音源が早口でかつ雑音のような不明瞭な音で、聞き取るのが非常に難しかったのです。

結果、内容を理解することが出来なくて最悪の状態となりました。当日試験を受験したみんな同じ感想でした。他県の会場ではどうだったでしょうか。

タイピングや要約の練習をして臨んでもこのような事もあります。

詳しい内容はこちらをご覧ください。

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試験に興味がある人は「全国要約筆者認定協会」のサイトをご覧ください。

要約筆記ソフト(IPtalk)とは

IPtalkとは、パソコンを使い、リアルタイムに文字を入力したり、事前に準備した文章を表示することで、聞こえに障害のある方のコミュニケーションを助ける情報保障(パソコン文字通訳、パソコン要約筆記、PCテイク など)用のソフトです。(IPtalkのサイトより)

Windows版で無料で配布されています。開発者は、パソコン要約筆記サークル「ラルゴ」に所属している「栗田茂明さん」です。
このような画面になっています。

要約筆記のやりがい

・要約筆記の派遣は、事前資料の取得や会場の準備が大変ですが、終えた後の満足感が得られます。

・聴覚障害者だけでなく健聴者からも、「文字があると理解しやすい」と感謝されることが多くあります。

・言葉を追いかけてスクリーンに文字を表示する作業は、漢字を間違えないようにするなど、緊張感を伴いながら進められます。
 そのため、終わった後には安堵感と達成感で満たされます。これは日常の仕事では味わえない特別な経験です。

 
是非、皆さんも要約筆記者を目指してみませんか?