「要約筆記ってどんなことをするの?手話とはどう違うの?資格は必要?」 そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では 要約筆記の基本・種類・表示方法・要約筆記者になるまでの流れ・活動内容 を初心者にもわかりやすくまとめました。
これから要約筆記を学びたい方、活動のイメージをつかみたい方に役立つ内容になっています。
ぜひ参考にしてみてください。
・要約筆記とは何か
・手書きとパソコン要約筆記の違い
・表示方法(全体投影/ノートテイク)
・要約筆記者になるまでの流れ
・資格取得の方法
要約筆記とは?
要約筆記とは、話し手の話の内容をつかみ、それを文字にして伝える、聴覚障害者のためのコミュニケーションの保障です。1960年代に考案され、現在は手話通訳と同様に福祉サービスとして行われています。
引用:全国要約筆記問題研究会(全要研)
要約筆記者の主な役割は、講演・会議・授業・面談など、さまざまな場面で「聞こえない人に情報を届けること」。
話の要点を瞬時に整理し、読みやすい文章にして表示するため、高い集中力と判断力が求められます。
要約筆記には、手書きとパソコン要約筆記の2種類があり、状況に応じて使い分けられます。
どちらも“その場の情報をリアルタイムで伝える”という重要な役割を担っています。
要約筆記の種類
要約筆記には、「パソコン要約筆記」と「手書き要約筆記」の2種類があります。
それぞれ説明しますのでご覧ください。
パソコン要約筆記とは
パソコン要約筆記は、会議や講演などで話の内容をリアルタイムに要約して入力し、文字としてスクリーンやパソコン画面に表示する技術です。
講演や式典などであらかじめ提供する音声情報が確定し、テキストデータが用意できる場合には、前ロールという送信テンプレートを作成しておくこともできます。
一般的な要約筆記知識・能力のほか、主に「IPtalk」などの専用ソフトを使い、正確なタイピング能力やパソコン周辺機器に対する知識が要求されます。
要約筆記では、話し手の言葉を正確かつ素早く文字に起こすスキルが求められます。 そのため、日頃からタイピングの正確性とスピードを鍛えておくことがとても大切です。 この記事では、要約筆記の練習に役立つ タイピングアプリ・サイトを[…]
パソコン要約筆記に必要な機器
パソコン要約筆記を行うために必要な機器は、以下のようになります。
パソコンやネットワークケーブルは個人で準備しますが、他の機器については、派遣元が準備する場合が多いです。
・パソコン(表示用)
・ハブ(5口以上)
・プロジェクター
・スクリーン
・ネットワークケーブル
・電源コード
全体投影では、2人から4人チームで行う場合が多く、そのため表示用パソコンも含めて5台分のハブの口が必要です。
手書き要約筆記とは
手書き要約筆記は、話の内容を透明シートにペンで要約し、OHCを使ってスクリーンに投影する方法です。
メイン・サブ・引き手の順で3人交代しながら行います。
手書きの場合は、パソコンより文字数を多く表示出来ないため、略号・略語を使用します。
例えば、「中途失聴」を「中失」、「ボランティア」を「ボラ」。
「難聴」を、「ナ」を◯で囲むなど。
これらは、少しでも話に追いつくために考えられたものです。
要約筆記の表示方法
要約筆記の表示方法には、「全体投影」と「ノートテイク」があります。
全体投影とは
要約筆記の全体投影は、パソコンや手書きで作成した内容をスクリーンに表示し、会場全体の参加者に共有する方法です。
特に大人数の場では情報を広く届けるのに効果的です!
※パソコン要約筆記の場合

手書きの場合はOHCを使います。
ノートテイクとは
ノートテイクは個別の会話や授業で、聴覚障害者の隣に座り話の内容をメモ用紙にリアルタイムで要約して記録する方法です。
メモ用紙ではなく、パソコンを使用してノートテイクすることも出来ます。

簡潔に重要な内容だけを記録し、情報を迅速に伝えます。
話すスピードと書き取るスピードの差を工夫で補い、個別支援に役立つ技術です!
それぞれのメリットとデメリット
全体投影のメリット
・大人数に一度に情報を届けられる
講演・式典・会議など、参加者全体に同じ情報を共有できる。
・視認性が高い
スクリーンに大きく表示されるため、見やすい。
・パソコン要約筆記なら情報量が多い
手書きよりも多くの情報をリアルタイムで表示できる。
・事前準備(前ロール)が可能
パソコン要約筆記では、あらかじめ文章を用意しておける。
全体投影のデメリット
・機材が必要で準備が大変
パソコン、プロジェクター、スクリーン、ハブなどが必要。
・会場のレイアウトに左右される
スクリーンが見えにくい席があると情報が届きにくい。
入力者の負担が大きい
情報量が多い分、要約力・タイピング力が求められる。
ノートテイクのメリット
・個別のニーズに合わせられる
授業・面談・少人数の場で、隣に座って必要な情報だけを伝えられる。
・機材が少なくて済む
メモ用紙やパソコンだけで対応できる。
・柔軟に対応できる
話し手のスピードや内容に合わせて、必要な部分だけを簡潔に記録できる。
ノートテイクのデメリット
・情報量が少なくなる
全体投影に比べて、書ける量が限られる。
書き手のスキルに左右される
聞き取り力・要約力が特に重要。
・読み手以外には情報が届かない
個別支援なので、周囲の人は内容を共有できない。
要約筆記者になるには
要約筆記者養成講座とは
要約筆記者になるには、最初に「要約筆記者養成講座」を受講する必要があります。
「要約筆記者養成講座」は毎年4月頃から、10月頃まで開催。
※自治体によって異なります。
養成講座は、必修科目74時間、必修選択科目10時間の全84時間となっています。
全講座を修了し、要約筆記奉仕員として要約筆記の活動をすることも可能です。
全国統一要約筆記者認定試験の流れ
養成講座を受講し、修了証をいただき、その後「全国統一要約筆記者認定試験」に合格すると、要約筆記者となります。
要約筆記者になるための流れを、養成講座から試験合格までわかりやすく解説します。 初めての方でも、必要なステップがすぐに理解できる入門ガイドです。 この記事でわかること ・要約筆記者になるまでの全体の流れ・養成講座で学べる内[…]
試験は、毎年2月の第3日曜日に行われます。
詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
要約筆記者の収入について

「要約筆記ってボランティアなの?」と思われている方も多いと思います。
要約筆記は聴覚障害者や聞こえに困難を抱える方々を支援する福祉事業であり、ボランティア活動とは異なります。
各自治体で報償費が支給されています。
「全国統一要約筆記者認定試験」に合格し要約筆記者となると、報償費として支払われる時給がアップする場合が多いです。
報償費については自治体で異なりますので、こちらの記事を参考にしてください。
要約筆記は、聴覚障害のある方に情報を届ける大切な支援であり、やりがいのある仕事です。 一方で、「実際の収入はどれくらいなの?」「副業として成り立つの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、要約筆記者の年収や[…]
要約筆記に関する公式サイトまとめ
要約筆記に関連する公式サイトについてまとめています。合わせてご覧ください。
要約筆記に関する公式情報をまとめて知りたい方のために、主要な団体や行政のサイトを一覧で紹介します。 認定試験、支援制度、研究会、文字通訳ソフトなど、必要な情報にすぐアクセスできます。 要約筆記者認定協会(全国統一要約筆記者認定[…]
不明な点があれば、こちらの記事を利用してご確認ください。
まとめ:要約筆記とは
要約筆記について説明しましたが、理解いただけましたでしょうか。
もし少しでも興味をお持ちでしたら、まずはお近くの要約筆記サークルに足を運んでみてください。
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