要約筆記者になるには?養成講座受講から試験合格までのステップ

要約筆記者になるには?養成講座受講から試験合格までのステップ

イベントや講演会で要約筆記をしている人を目にしたことはありませんか?

要約筆記は、聴覚障害者をはじめとする情報が届きにくい人々に内容をわかりやすく伝えるための大切な役割を担っています。

「要約筆記者になるにはどうしたいいの?」そんな疑問を抱く方もいることでしょう。

この記事では、要約筆記者になるための具体的な手順を、養成講座受講から試験合格までわかりやすくお伝えしていきます。

要約筆記者になるには?

要約筆記者になるには、要約筆記者としての基礎スキルを学ぶため、最初に「要約筆記者養成講座」を受講します。

受講後に「要約筆記奉仕員」として活動を開始することもできます。

その後2月に行われる「全国統一要約筆記者認定試験」に合格すると、「要約筆記者」として登録し活動することが出来ます。

 
順番に説明していきます!

要約筆記者養成講座

各都道府県・市町村等において、厚生労働省要約筆記者養成カリキュラム基づいて実施される「要約筆記者養成講座」を受講します。

養成講座は、「手書き要約筆記」と「パソコン要約筆記」の2種類のコースに分かれます。

受講料は無料ですが、テキスト代は自己負担4,000円です。(自治体によって異なる場合があります。)

要約筆記者養成講座の募集要項

令和6年度の東京都の要約筆記養成講座の募集要項を参考までにご覧ください。

令和6年度東京都要約筆記者養成講習会募集要項(PDF)

講座は全84時間で、春から秋まで開催されます。(自治体で異なります。)

要約筆記者養成講座の申し込み先について

全国の要約筆記者養成講座の申込先を紹介していますのでご覧ください。

自治体によっては、市町村の福祉課や、社会福祉協議会、聴覚障害者情報支援センターなど様々です。

申し込み先が見つからないときは、全国要約筆記問題研究会(全要研)にお問い合わせください。

全国要約筆記問題研究会公式サイト:全要研 | 全国要約筆記問題研究会
 
全要研では、講座の講師を育成しています!

全国統一要約筆記者認定試験

「要約筆記者養成講座」を修了後、2月に開催される試験に合格すると「要約筆記者」となります。

受験者数と合格率について

筆記試験の問題が難しくなってきていて、要約筆記試験の合格率が下がっています。

同じ問題は出ない傾向にあるため、過去問だけを勉強しても合格出来ません。テキスト中心の勉強が必要だと感じています。

 
受験者数が増えていますね!
実施区分受験者数認定者数合格率
2024年度手書き505人182人36%
パソコン486人115人23%
2023年度手書き442人90人20%
パソコン498人113人23%
2022年度手書き451人107人24%
パソコン495人143人29%
2021年度手書き414人122人29%
パソコン401人110人27%
2020年度手書き343人119人35%
パソコン356人140人39%

2024年度は、認定基準・採点基準が変更されましたが、合格率は上がっています!

認定基準・採点基準の変更

「一般社団法人 要約筆記者認定協会」から「2024年度(2025年2月試験)より要約筆記者認定基準・採点基準を変更します。」と発表されました。

■2023年度(2024年2月試験)までの認定基準

 筆記試験120点以上、かつ実技試験70点以上

■2024年度(2025年2月試験)からの認定基準

次の1,2を満たしていること
1.筆記試験結果が次の①②を満たしていること
 ①合計得点が120点(60%)以上
 ②出題分野の得点が次にあげる各分野の配点の25%以上
  聴覚障害者の基礎知識   50点
  社会福祉の基礎知識    50点
  要約筆記の基礎知識    50点
  要約筆記の基礎知識対応力 20点
  日本語の基礎知識     50点
2.実技試験各70点以上(変更なし)

要約筆記者認定試験対策

要約筆記の実態

要約筆記はどのようにして行われているか、要約筆記を体験した人の感想など。
こちらも合わせてご覧ください。

まとめ:要約筆記者になるには

要約筆記者になるための手順は以下のようになります。

・各都道府県の「要約筆記者養成講座」全84時間を受講

・「全国統一要約筆記者認定試験」を受験(毎年2月中旬)

・自治体に「要約筆記者」の登録

要約筆記者になって、聴覚障害者等に情報を届けましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!